Yakage Art Project

矢掛町 白壁

矢掛町は、岡山県の西南部に位置し、弥生時代の遺跡や古墳時代の古墳、奈良時代に活躍した吉備真備ゆかりの地など、多くの歴史・文化的遺産を有しています。特に、江戸時代には参勤交代の宿場町・矢掛宿としての人の行き来が多く、人と物資の交流拠点として栄えていました。本陣と脇本陣が、ともに国の重要文化材に指定され、健全な状態で旧姿をとどめるのは全国でも矢掛のみと言われています。

矢掛町 屋敷

現在では、古民家を再生したショップやホテル、伝統のある醤油店・製麺所・製麩所、個性的なカフェが立ち並び「歴史かおる文化の町」として伝統を大切にしながら、未来への新しい街づくりに力を入れています。
芸術家を志す若者に、その想像力やアイディア、行動力を発揮する場を提供することで、その社会的・経済的な自立を支援していく有志の集まりです。
作品鑑賞方のアートイベントではなく、鑑賞者が気軽に芸術制作に触れ、参加することができるアートイベントを企画・実行することにより、矢掛地域の活性化や賑わいを創出し、芸術と芸術家が芽吹く町「矢掛」をめざします。

ザ・のみぎりズム2016

ザ・のみぎりズム2016会場

「ザ・のみぎりズム」とは、作品テーマの「座」、制作スタイルの「のみぎり」、そこで生まれる「リズム」、そしてコミュニケーションを大切にする「イズム(主義)」、をあらわす"Yakage Art Project"初のプロジェクトの名前です。
このプロジェクトでは、作家が矢掛町に滞在し公開制作を行います。主な特徴は、学生も含めた若手作家と、中堅・ベテラン作家の招聘。人通りの多い街中での公開制作。機械工具を使用せず作品を仕上げる(基礎加工を除く)。町内産出の白桜みかげをしよう。期間中を通した石彫体験コーナーの開設。作品・商品販売の自由です。これらにより、世代を超えた作家や鑑賞者との密なコミュニケーション、芸術・石彫に対する認知・興味の拡大、芸術家支援を試みます。
芸術・石彫は特別なものでも、難しいものでもありません。どこにでもいるような若者・おじさんが、石を彫って世界で一つの「ザ」にしているだけです。気軽に話しかけ、石に触れてください。
作家や作品が皆様に愛され、このプロジェクトが、皆様に認められ矢掛の「リズム・イズム」を生み出すものになる事を望みます。

のみぎりとは

のみ切り

「のみぎり」の文字を見ると、一般的に時候の挨拶「~のみぎり」を連想するでしょう。しかし、彫刻家や石ザ業界の人の多くは「ノミ切り」を思い起こします。これは、石をノミで彫る行為や、加工における仕上げのことを指します。機械工具が発達する以前は、この技術により加工する他ありませんでした。石の彫刻作品において、基本的かつ重要な技術の一つですが、時間と体力を要することなどから、熱心に指導する美術大学は少なくなっています。また、石彫家の中でも「ノミ切り」を多用する作家は少ないと言って良いでしょう。石材業界においてもその加工の大部分を中国に委託するようになって久しく、「ノミ切り」をはじめ高い技術を持った職人でも、それを活かしきれなくなっています。
話は戻りますが、時候の挨拶「みぎり」は「砌」と書くそうです。語源を辿ると意味はいろいろありますが、石を採石する場も「石切り場」と呼ぶので、ただならぬ深い縁を感じます。晩夏のみぎり、石と対峙する彫刻家の姿に目を向け、心地よい槌音に耳を傾けて、作品制作の過程をお楽しみいただければ幸いです。

石彫シンポジウム

一般的な「シンポジウム(symposium)」は、特定のテーマについて、立場や意見の異なる専門家を数名予備、進行役の元、聴衆の前で公開討論を行うものです。一方、「彫刻シンポジウム」は、彫刻家が特定の地に集まり、寝食を共にしながら、コミュニケーションを深め、一定の期間作品を公開制作する事を指します。完成作品はその地域に展示、あるいは恒久的に設置される事が慣例となっています。
1959年、オーストリアの彫刻家カール・ブランテルしによって発案された彫刻シンポジウムは、サンクト・マルガレーテンにおいて、欧州7ヵ国11名の彫刻家を招聘し、世界で始めて開催されました。そしてそれは、センセーショナルなイベントとして、強い反響と関心を呼び、参加者を核とし、瞬く間に世界中に広がりました。日本においても、1963年神奈川県の真鶴で東京五輪のプレイベントとして、「世界近代彫刻シンポジウム」が海外6名、国内6名の彫刻家を招聘し開催されました。

その後、景気の後押しや文化振興の高まりなどから、各地に拡散していきました。特に石材を素材とした「石彫シンポジウム」が数多く開催され、作品は開催地に野外彫刻として恒久設置されていき、彫刻公害という言葉が生まれる地位公男出るほどでした。 しかしながら、日本経済の停滞と期を同じく、彫刻シンポジウムは少なくなりました。 経済のみならず、彫刻作品に対する時代のニーズが変わったとも考えられます。現在、継続的に開催される日本国内の「石彫シンポジウム」は少なく、参加者も数名と小規模となっています。
今回のプロジェクトは、彫刻シンポジウムの原点を顧みつつ、「石彫シンポジウム」或いは作家や作品の在り方を問い直すこと、コミュニケーションより生まれる発見・創造などが、それぞれの作家の新たな一歩となるきっかけになればと企画しました。

石彫公開制作作品

  • 小林雅英

  • 小林照尚

  • 森本諒子

  • 森本諒子

  • 村松英俊

  • 大塚泰生

  • 伊丹脩

  • 来栖花

ギャラリー

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